危険負担
カテゴリ:不動産売却動画
/ 投稿日付:2024/06/24 18:11
Q.最近は異常気象も多いですが不動産取引にも影響があったりしますよね。
A.はい、例えば売買契約を締結した後、引渡しまでに天災地変で売買の目的物が滅失してしまうなどのケースも考えられます。
Q.天災地変で滅失というと。
A.落雷で建物が壊れてしまった。水害で建物が流されてしまったなどでしょうか。売主様買主様のどちらの責任ではなく取引の対象物が滅失、なくなってしまうということです。
Q.そういった場合どのようになるのでしょうか。
A.2020年4月いっぴに民法が改正されましたがそれ以前のいわゆる旧民法では契約自体は成立しているので買主様は売買代金を支払わなければならないとなっていました。
Q.え、なくなってしまっているのに支払わなければないんですか。
A.はい、債権者主義といい買主様が目的物の引き渡しに関する危険負担をするということになっていました。ですが不動産の売買契約書では天災地変等の売主、買主どちらの責任でもない事由によって対象物が滅失や損傷してしまった場合については特約で民法とは異なるという取り決めを行っていました。
Q.どういった取り組みですか。
A.全部が滅失してしまったり修復が不能な場合や修復に過分な費用や日数がかかるといった場合は解除することができるというような特約です。相手方へ通知し売主様が買主様へ受領済の金員を無利息で変換して解除という特約が一般的でした。
Q.それほどでもない場合はどうだったんですか。
A.引渡し前の損傷については売主様で修復の上、買主様に引き渡すようにしていました。
Q.では改正された民法ではどうなんでしょうか。
A.引渡し前でなおかつ引き渡しが不能である場合は買主様の支払債務は消滅しないものの代金の支払いを拒絶できるということになりました。
Q.支払わなくてもいいんですね。
A.改正されたことによって実際の取引の場での運用と民法が近づいたという感じかと思います。あくまで天災地変など売主様に責任がない場合です。売主様には引渡しまで善管注意義務、善良なる管理者の注意義務があります。注意不足の場合は当然売主様の責任が発生します。問題なく取引し引渡しができるよう細心の注意を払うことが重要です。
わかりました。ありがとうございます。